引っ越し前はいろいろな手続きや荷物の整理などやることが多く、慣れていないと準備だけで時間がかかってしまいます。特に大変なのが引越し先へ運ぶものの荷造りです。新居に持って行くものは全て梱包しなければなりません。
ひと口に梱包といってもアイテムによって方法が異なります。テレビや電子レンジなど新居でも使う家電は壊れないように保護しながら梱包するのがポイントです。特に困るのが大型家電。水を使う洗濯機やギリギリまで稼働させる冷蔵庫はどうすればいいのでしょうか。
そこで今回は、引っ越しで家電を梱包するときの注意点や処分方法について解説していきます。家電や家具を買い替える人向けのポイントも紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
引越し準備で多くの時間を費やすことになるのが荷造りです。引越しの1〜2日前には必要なもの以外すべての荷造りを終わらせておくようにしたいところ。とはいえ、やみくもに荷物をダンボールに詰めていくと引越し先での荷ほどきが大変になってしまいます。
急な転勤など自力で荷造りをする時間がない場合は、業者に依頼するのも選択肢の1つ。妊娠中や高齢者、小さな子どもがいる人も自力で荷造りをするのが難しいので、業者のサービスを利用するのがおすすめです。ただし不用品の処分は対象外となることが多いので、どこまで対応してくれるか確認してから自力で荷造りするか業者に依頼するかを決めるようにしましょう。
自力で荷造りをするときは、家の中にある荷物の量を考慮して余裕を持ってスケジュールを組むようにしましょう。荷造りを始める前に済ませておきたいのが不用品の処分です。回収日が少ない不燃ゴミや粗大ゴミは、捨てるものをまとめて地域のゴミ処理施設へ持っていくのが効率的。状態がいい衣類や家具は買取査定をして引越し資金に当てるのもおすすめです。
荷造りのコツは新居での部屋割りに合わせて行うこと。例えば新居で兄弟の部屋を2つに分けるときは、兄と弟それぞれ別の段ボールで荷造りすると運搬の際に割り振りがしやすくなります。部屋ごとに荷造りをしておくことで、荷ほどきもスムーズに進められるので効率的です。中身がわかるように段ボールの上部と側面に内容を記載しておきましょう。引越し直前まで使っているものは、新居でもすぐに必要になるので最後に荷造りします。
引っ越しの荷造りで気をつけたいのが家電の梱包です。運搬中に破損や故障が起こる可能性があるため、しっかり梱包しておかなければいけません。梱包するときは横に倒さないように注意してください。また、掃除機は新居ですぐに使うため荷台に積んで運ぶのがおすすめ。おもな家電について梱包の流れとポイントをまとめました。
家電の種類 | 梱包の流れ | 注意したいポイント |
---|---|---|
冷蔵庫 | 1.庫内の水抜きと乾燥
2.梱包 |
・前面と背面を緩衝材と段ボールで覆う
・上部と底面も忘れずに段ボールで梱包する |
洗濯機 | 1.機内の水抜き
2.梱包 |
・緩衝材で覆った上から段ボールや巻き段ボールでしっかり梱包する
・ホースなどの部品は洗濯槽に入れておく |
エアコン | 1.取り外し
2.梱包 |
・取り外しと室外機の運搬は業者に依頼するのがおすすめ
・室内機は通気性のいい新聞紙などを使い段ボールでゆったり梱包する |
パソコン | 1.データのバックアップ
2.梱包 |
・デスクトップパソコンのモニターは液晶画面にタオルなどを当ててから段ボールで固定する
・本体や部品は緩衝材で包み、新聞紙などを詰めた段ボールに入れる |
テレビ | 1.配線を外す
2.梱包 |
・配線がわかるように写真撮影したりマステで目印をつけたりしておく
・購入時の段ボールがない場合は、緩衝材や毛布でしっかり覆う |
小型家電 | 1.かさばるものは部品を外す
2.梱包 |
・電気のカサなどは外しておく
・レンジの扉や炊飯器の内釜など動くものは養生テープで止めておく ・段ボールに入れるときは、動かないように緩衝材で包み新聞紙などを詰める |
ストーブ | 1.燃料を抜いておく
2.梱包 |
・燃料が残らないように使い切るかポリタンクに戻す
・液漏れ防止のため新聞紙を敷いてからビニールで包み段ボールに入れる |
引越し先で使わない家電は処分しておきましょう。アイロンやドライヤーのような不燃ゴミの袋に入る小型家電は、自治体の回収に合わせて出すことが可能です。不燃ゴミの詳細は住んでいる地域の自治体で確認できます。
ただし不燃ゴミの回収日は月1〜2回という自治体が多く、引っ越しのタイミングによっては間に合わない場合も。また、捨てたい家電の数が多いと手間がかかってしまいます。おすすめは地域のごみ処理施設へ直接持ち込む方法です。不燃ゴミだけでなく、燃えるゴミや粗大ゴミも持ち込みが可能です。事前予約が必要な場合や有料のものがあるので、各自治体のホームページで確認してみましょう。
家電リサイクル法により、家電の一部は粗大ゴミで処理できません。該当するのは「エアコン」「ブラウン管・液晶・プラズマテレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」です。処分したいときは、購入した家電販売店に引き取りを依頼します。販売店には引き取りの義務があるため、通信販売やネットショッピングで購入したものも同様です。購入店が遠い場合、支店があればどこでも引き取りが可能です。
購入店が廃業している場合や、プレゼントされたもので販売店が不明な場合は、住んでいる自治体に処分方法を問い合わせましょう。ほかに、指定引取場所に持ち込む方法があります。家電リサイクルの料金は、メーカーと型番によって異なるので事前にチェックしておくのがおすすめです。また、販売店に引き取りを依頼する場合はリサイクル料金とは別に収集運搬費がかかるのでご注意ください。
家電リサイクル法の対象となっている4品で状態がいいものは、リサイクルショップで査定をしてみるのがおすすめです。リサイクルショップは全国各地に出店していて、出張買取を実施している店舗も多くあります。1点でも買い取ってくれたり、見積もりや査定を無料で実施したりするなどサービスが充実。引っ越し準備で忙しいときの強い味方です。
中古のエアコンや型落ちしたテレビにも値をつけてもらえることがあるので、家電リサイクル法を使って処分する前にダメ元で査定をしてもらいましょう。うまくいけば処分費用が節約できて臨時収入を得られるかもしれません。
引っ越しは家にあるものを要不要で判断していくため、古くなった家電を買い替えるタイミングにぴったり。「まだ使えるしもったいない」と長年買い替えていない家電はありませんか?地球環境への配慮や家計の節約になる省エネ家電が続々と登場しています。
例えば、液晶テレビは8年前と比べて電気代が29%もお得になっています。ほかにも、温水洗浄便座は11年前よりも28%省エネに。照明器具は電球をLEDに変えるだけで85%もお得です。2000年から導入された省エネラベリング制度によって、エアコンや冷蔵庫など21品には統一省エネラベルがついています。
ラベルを見ただけで省エネ基準の達成率や年間消費電力量などがわかるのが特徴です。小売事業者表示制度による「統一省エネラベル」には、1年間使用した場合にかかる電気料金の目安が表示されています。
家電と同じように家具も引っ越しが買い替えや買い足しのタイミングです。店頭やネットで気に入った家具を勢いで買ってしまうと、後から後悔することがあるので注意しましょう。家具選びのポイントは3つです。1つ目は必要なものだけを買うこと。引っ越しのときは最低限必要なものをそろえる程度にして、荷ほどきが落ち着いてから買い足すのがおすすめです。
2つ目は新居の間取りを確認すること。天井の高さや辺の長さがわからないと、部屋に入るサイズかどうか判断ができません。店舗に間取り図を持って行くとインテリアコーディネーターに相談しやすくなるのでおすすめです。また、引っ越しのときはレイアウトを決めておくのもポイント。家具を搬入するときに手間取らずに済みます。
3つ目はエレベーターのサイズを確認すること。集合住宅の引っ越しで盲点になるのが運搬作業でエレベーターに入らないケースです。購入した家具がオーバーしないように、エレベーターの奥行きや幅を測っておきましょう。
家電や家具を買い替えるときはできるだけお得にしたいもの。価格交渉にはどんなコツがあるのでしょうか。購入点数が少ない場合は価格調査でお得に買うのがおすすめです。家電量販店が集まるエリアでは、近隣店舗の価格をチェックします。ポイントを集めている家電量販店が他店よりも高かったら、同じ値段になるよう交渉してみましょう。
また結婚や一人暮らしなどの引っ越しで家電一式が必要な場合は、同じ店舗でそろえるようにするのがおすすめ。まとめて購入することが交渉を成功させるコツです。家電量販店では交渉相手を間違えないことが重要。メーカーからきている担当者ではなく、価格の決定権がある店舗の担当者を呼んでもらうようにしましょう。
引っ越しのときは家電や家具以外に、生活にかかるコストも見直しをするチャンスです。家電を最新モデルに買い替えることで電気代がお得になるのと同じように、インターネット環境を見直すと通信費を節約できる可能性が。
特に契約してから長い間、同じインターネットの固定回線や周辺機器を使っている人は性能を確認してみましょう。古いインターネット回線よりも新しい光回線の方がお得な場合があります。インターネット回線と合わせて固定電話をひかり電話にするとさらに安くなることも。
また、インターネット回線を光回線に変えているという場合は、Wi-Fiルーター等の周辺機器をチェックしてみましょう。回線の速度に対応できない古いタイプの機器を使っていると、高速回線のスペックを活かしきれません。
引っ越しのときに必要な家電の梱包や処分方法を中心にご紹介しました。引越しの梱包は、荷ほどきのことを考えて行うのがポイントです。家電や家具の買い替えを検討している場合は、価格交渉をしてお得に購入しましょう。また、不用品でも状態がいいものは買取業者に査定してもらうのがおすすめです。普通に処分したら費用がかかる家電も、買取ってもらえたら処分費用をかけずにプラスとなる可能性が。しっかり準備して楽しい新生活を迎えましょう。
かしこいお引越し。
引越し屋